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残像を消して

 

夏の葬列の先頭
漂う羽虫の殻
灰皿の水温が
2人分上がってゆく
カラカラの喉で歌う
奴がすり寄るのは
ステルス自尊心の
液状の劣情さ


曖昧に
息を吐いた
残像を消して


笑わないで
いつか君が僕を忘れたら
そのイメージを誰が埋めるかな
消さないで
街に映る掌に刺さるは
夏の温度だった

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